「治未病」か?「未病治」か? of 【未病の智慧】 - 病気になる前に治しておく、養生の智慧


未病の智慧 (C)未病の智慧

治未病か?未病治か?

治未病か未病治か (C)未病の智慧  東洋医学、鍼灸の専門家の間では、当初は未病を治すことを「未病治」と呼んでいました。しかし原文は右図のように「治未病」(日本語読みではレ点を入れて“未病ヲ治ス”と読み下します)となっているため、未病治ではなく治未病と言ったほうがいいという意見が出るようになり、次第に「治未病」と呼ぶ先生や、「治未病」の表記が増えてきたように思います。
 しかし、「治未病(ちみびょう)」というと発音もしにくく、三文字ではどことなく座りが悪いように思います。東洋医学や鍼灸を専門にする人にとっても、あまりしっくりこないことが多いのですが、ましてや一般の方にはさらに通じにくいのではないかと思います。原文を大事にすると言う気持ちも良く分かりますが、それならば他の用語もそうするべきですし、原文からはかけ離れた用語はたくさんあるのですから、あえて言いにくい表現を使う必要はどこにあるのだろうか?と疑問に思うこともあります。一般の方にも分かりやすく、より多くの人に未病の智慧を伝えるためにも、使いやすい言葉、呼びやすい表現を使うべきであると考えます。
 また、「治未病」という言葉は中国思想の一つである『荘子』という本にも出てくるのですが、そこでは「治未ノ病」と言う読み方になり、「病気になっていないものを治療をするということ=無駄なことをするたとえ」という全く異なる意味になってしまいます。こういった誤解を避けるためにも、「治未病」という表記に賛成しない方もいるようです。

 「治未病」なのか?「未病治」なのか?
 それはとても枝葉末節なことではありますが、誤解を避ける意味でも、当サイトでは、未病を治すことを、「治未病」でもなく、「未病治」でもなく、分かりやすくそのまま「未病治療」と著していきます。